家の一部だけWi-Fiが遅いときは何から直す?置き場所・中継機・メッシュ・有線接続の順番

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リビングでは快適なのに、寝室や書斎へ移動すると動画が止まる。オンライン会議では声が途切れ、スマート家電だけ反応が遅い。こうした症状が出ると、すぐに高性能ルーターやメッシュWi-Fiを買いたくなります。

しかし、家庭内Wi-Fiの不調は、回線、親機、置き場所、端末、混雑のどこで起きているかによって対処が変わります。原因を分けずに機器を増やすと、電波は届いているのに速度が上がらないこともあります。

この記事では、購入を急ぐ前に確認したい順番を整理します。専門用語も使いますが、その場で意味を説明しながら進めます。

最初に症状を分ける

起きていること 最初に見直す場所 確認のイメージ
家中の端末が遅い 回線と親機 親機の近くでも遅いか、有線でも遅いか
一部の部屋だけ遅い 親機の置き場所と電波経路 壁・床・収納・家電を挟んでいないか
特定の端末だけ遅い 端末側のWi-Fi規格と設定 同じ場所で別端末は正常か
夜だけ遅い 回線や周辺電波の混雑 時間帯を変えると改善するか
中継機を置いても遅い 中継機と親機の間の通信 中継機自体が弱い電波しか受けていない可能性
メッシュを増やしても不安定 ノード配置とバックホール 台数よりノード間の通信経路を確認

ここでいう親機は、インターネット回線へつながる中心のルーターです。メッシュWi-Fiでは、追加する機器をノードまたはサテライトと呼びます。

1. 親機の近くでも遅いなら回線と有線区間を確認する

最初に、遅い部屋ではなく親機の近くで測ります。可能なら、パソコンをLANケーブルで親機へつないだ結果も確認します。

Wi-Fiの速度測定で見えるのは、回線速度だけではありません。端末から親機までの無線区間、親機の処理、有線ポート、契約回線、測定先までが含まれます。そのため、親機のすぐ近くでも複数端末が遅いなら、電波の届き方だけを直しても改善しない可能性があります。

確認したいのは次の点です。

  • 回線終端装置やホームゲートウェイの再起動で変化するか
  • 有線接続でも同じ時間帯に遅いか
  • 契約回線とルーターのWANポート速度が合っているか
  • 家族の大容量通信が同時に走っていないか
  • 特定サービスだけが遅いのか、複数サービスで遅いのか

スループットは、実際にデータを運べた速度です。製品に書かれた最大通信速度と、家庭で測るスループットは同じではありません。

2. 一部の部屋だけ遅いなら親機の位置を先に変える

電波は壁や床を通過するたびに弱くなります。特に、金属を含む収納、家電、配管、鉄筋コンクリートなどは影響が大きくなりやすい要素です。

親機を床の隅やテレビ台の奥へ置いている場合は、まず次を試します。

  • できる範囲で家の中心寄りへ移動する
  • 床から少し高い、開けた場所へ置く
  • 金属製ラックや収納箱の中を避ける
  • 電子レンジなど強い電波を使う家電から離す
  • アンテナのある機種は説明書に従って向きを確認する

数十センチから1メートル程度の移動でも、壁を通る角度や遮蔽物が変わることがあります。機器を購入する前にできる、費用のかからない調整です。

3. 中継機は「遅い部屋」ではなく電波を受けられる途中へ置く

中継機は、親機から受け取った通信を次の場所へ届けます。遅い部屋の中へ置けばよいとは限りません。

親機の電波がほとんど届いていない場所へ中継機を置くと、中継機も弱い通信しか受け取れません。目安は、親機と電波の弱い場所の中間付近です。親機との接続を保ちながら、弱い場所へ電波を延ばせる位置を探します。

中継機が向きやすいのは、次のような環境です。

  • 遅い場所が一部屋程度に限られる
  • 既存ルーターをそのまま使いたい
  • 高速なノード間通信より、届く範囲の拡張を優先する

一方で、複数階や広い住宅で移動中の接続も整えたい場合は、メッシュWi-Fiの方が管理しやすいことがあります。

4. メッシュWi-Fiは台数よりノード間の通信を確認する

メッシュWi-Fiは複数のノードで一つのネットワークを作ります。ただし、3台に増やせば必ず2台より速くなるわけではありません。

ノード同士を無線でつなぐ経路を無線バックホールと呼びます。この経路も壁、天井、距離の影響を受けます。追加ノードを電波の弱い部屋へ直接置くのではなく、親ノードや前段ノードと十分に通信できる場所を選びます。

たとえば2階の奥が遅い場合、2台目を2階奥へ置くより、階段付近や吹き抜けに近い場所へ置いた方がノード間の通信を保ちやすいことがあります。最適な場所は建物によって異なるため、アプリの接続状態と実測を見ながら動かします。

台数と置き場所の詳しい決め方は、次の記事で扱います。

5. 配線できるならEthernetバックホールを検討する

ノード同士をLANケーブルでつなぐ方式がEthernetバックホールです。無線区間を壁や床へ通す必要がないため、ノード間通信を安定させやすい方法です。

ただし、ケーブルをつなげば自動的に最高速度になるとは限りません。確認が必要なのは、次の区間です。

  • 親機と子機のLANポート速度
  • 間にスイッチングハブを入れる場合の対応速度
  • LANケーブルの規格と配線状態
  • 壁内配線や情報コンセントの規格
  • 接続するパソコンやNASのLAN速度

どこか一か所が1Gbpsなら、その区間は1Gbpsが上限になります。これはボトルネックと呼ばれます。

6. Wi-Fi 7は端末・回線・有線ポートまでそろえて考える

Wi-Fi 7対応ルーターを導入しても、端末が旧規格ならWi-Fi 7固有の機能をすべて使えるとは限りません。旧端末が接続できないという意味ではなく、端末側の対応範囲で通信するということです。

確認したいのは次の組み合わせです。

  • スマートフォンやパソコンのWi-Fi規格
  • 6GHz帯への対応
  • 契約回線の速度
  • 親機のWANポート速度
  • 有線端末とNASのLANポート速度
  • ノード間を無線にするか有線にするか

家庭内Wi-Fiを改善する目的が「遠い部屋へ安定して届かせること」なら、最大公称速度より配置とバックホールが重要な場合があります。

Deco BE65とBE85は改善方法が決まった後に選ぶ

TP-Link Deco BE65とDeco BE85は、どちらもWi-Fi 7対応のメッシュ製品です。


BE65は2.5GbEを中心に家庭内ネットワークを組みたい場合、BE85は10GbE回線や10GbE対応NAS・有線PCまで含めて構成したい場合に比較しやすい製品です。

ただし、家の一部だけ遅い原因が置き場所なら、上位モデルへ変える前に配置調整で改善する可能性があります。逆に、複数階で配線できず、ノード間通信の余裕を重視するなら、製品側の無線構成も比較対象になります。

製品差は次の記事で詳しく整理します。

Deco BE85の単品仕様を確認したい場合は、既存記事へつなぎます。

## 改善の順番をまとめる

  1. 親機の近くと有線接続で症状を確認する
  2. 親機の置き場所を調整する
  3. 一部屋だけなら中継機を検討する
  4. 広い範囲や複数階ならメッシュを検討する
  5. ノード間の置き場所を測定する
  6. 配線できるならEthernetバックホールを検討する
  7. 回線・端末・ポートに合わせて機種を選ぶ

家庭内Wi-Fiでは、購入が最初の手順ではありません。どの区間が遅いのかを分け、置き場所と通信経路を整えてから、必要な機器へ進む方が失敗を減らせます。

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